【第五話】まるに弟妹のネコが……

まるとおじいさんと10匹のネコ —『キッチンまんまる』物語 —


お婆ちゃん入院!

 ある日、お婆ちゃんいつもよりもっと具合が悪くなって、お婆ちゃんも夜になっても帰ってこない日が何日か続いたんだ。ご飯と散歩はお爺さんがいつもと同じにしてくれたけど、お爺さん、ちょっと寂しそう。

 それから何日かして、アッコちゃんが僕のところに来て、「お婆ちゃん、入院したから、しばらく帰って来れないんだよ。寂しいけど我慢してね。」って目に涙ためて、お話ししてくれたんだ。アッコちゃんなんか悲しいことあったのかなぁ?僕心配になったから、鼻でつんつんって、アッコちゃんの手をつついて、元気出して!って言ったの。伝わったかなぁ?

 それから、夏になって、お婆ちゃん、お家に戻ってきました。少し具合が良くなって、退院できたんだって。お婆ちゃんよかったねぇ!いっぱい撫でてねぇ!

 でも、お婆ちゃん、前みたいになでてくれませんでした。体調が悪いので、機嫌が悪く、僕のこと「バカ犬!」って怒ってばかり。ちょっと寂しいなぁ。僕、撫でて欲しいのになぁ。

 そんなある日、今のお父さんとお母さんがお婆ちゃんのお見舞いに来たの。僕、このとき二人を見かけてたから、もう一度二人が来てくれたとき、このおじさんは優しいって思って、怖いおじさんから逃げる場所にしたんだ。怖いおじさんの話しは、いつか話します。

お婆ちゃんとお別れ

 暑い夏が終わって、秋が来て、お婆ちゃん再び入院したの。その頃、お姉さん猫、だんだん太って来て、お腹重そうに歩いてた。何でこんなに急にお腹が大きくなるんだろ。猫さんて大変だなぁ!

 何日もお婆ちゃんが帰ってこなくて、アッコちゃんが僕のご飯を持って来てくれたり、お爺さんが散歩に連れて行ってくれたから、うれしかったけど、お婆ちゃんいなくてちょっと寂しかったんだ。

 そしたら、ある日、アッコちゃんが泣きながら僕の頭をなでてくれてたの。僕、ウトウトしてて気がついたら、なでてくれてるから、どうしたの?ってつんとお鼻でアッコちゃんの手をつついたら、「お婆ちゃん天国に行ったよ。今日亡くなったんだよ。」ってアッコちゃん。僕には意味が良く分からなかったけど、アッコちゃんが寂しそうで、お婆ちゃんがいないから、きっともう会えないんだろうなぁって思って、僕も寂しかったの。アッコちゃん元気出してね。

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