Studio PRANAに設計依頼をしたひとつの理由

【土壁の家に出会う】建築事務所Studio PRANAとの出会い


私たちの思い描いた家を建築家に託す

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土壁の模型。木組みの柱と貫でしっかり組まれ、小舞編みの上に粗壁、中塗り、仕上げといくつもの層が重なっていることがわかる。

ここ1年近く、自分たちなりに理想の家とは何かを考えて来た。

そして、だんだんと断片的な経験や希望が自分たちのなかでまとまってもきていた。そのなかでも、自分たちの理想の家を実現するには絶対に建築家を抜きにはできない、という結論に至った。徹底的なコストの合理化をしても建築家の設計料は抜けない必須条件だと考えた。

建築家の仕事はデザインだけではなく、コストの管理や現場監督、そして何よりも建て主の思いや理想を形にする仕事だ。工務店やハウスメーカーお抱えの設計士では限界があり、独立した存在であることが何より大切だと思っている。だから、誰に頼むか、どういう建築家に頼むかは、土地選びと同じ位の重要課題なのだ。

それで、私たちが依頼したい建築家の条件はこうだった。

  • 国産木材を使い
  • 土壁、草屋根など、自然素材に徹底的にこだわり
  • ごみにならず(解体したときに産業廃棄物にならないものを極力使う)
  • 共生できる木造の家。
  • そして、私たちの少ない予算でどこまで可能かを一緒に考えてくれる人だ。
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二人のスタッフとともに素敵な家が描かれるオフィス

そして、建築家というのだから、やはりデザインにもその人を表すカラーを持っていてほしい。わがままな希望だが、何人かの建築家と会ったり工務店やハウスメーカーを回った中でそう強く考えるようになった。

そういう条件を念頭に入れながら数ヶ月もインターネットでリサーチした末、林美樹さんに行き着いた。私たちの期待を裏切らず、それ以上の印象で初対面を果たせたのは私たち夫婦にとっても嬉しいことだった。オフィスの様子を見渡してみても、彼女にはとても良い空気と未知の引出しがありそうでわくわくした。

家の軸組模型、大掛かりで複雑な家のときはこうして梁と柱を確認している。我が家は簡単だったのでないらしい。
家の軸組模型、大掛かりで複雑な家のときはこうして梁と柱を確認している。我が家は簡単だったのでないらしい。

現実的なことだが、林さんが今まで造って来た家は坪100万円くらいなので、坪60万くらいが限度と考えていた私たちの希望とかなりかけ離れたグレードのものだ。このご時世、手刻みで木組みの伝統工法ができる大工さんは数少ないし、手間もかかるのだからそれ位はかかるのだろう。それをいかにスリム化できるかが大きな課題だ。難しいかもしれない。

でも、ぜひ、検討して欲しいと思った。彼女が検討して、値段的にどうしても無理というなら、別の可能なプランを提示して欲しいとも思った。それは我慢とか、妥協ではない気がする。

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【総工費を抑える】
文章中に坪単価の事が書かれていますが、結果的に、我が家の坪単価はさほど低くはありません。小さな家はどうしても坪単価では高めになってしまうのです。そのため、希望より床面積を縮小しつつ、必要な機能は押さえて、坪単価よりも総工費を抑え、家本体に予算を回す事にしました。
沢山の知恵で、総予算は我が家の手の届く範囲に抑えてくださいました。坪単価より、注文住宅は総予算の方が大切なのです。