美しい白漆喰の妻壁の尾垂れに杉の壁板を差し込む

【伝統建築現場レポート】外壁の壁板張り② 2014年6月18日


妻壁の尾垂れに壁板を差し込んで壁板を張っていく

妻壁の壁板の厚み+1mmぐらいの隙間に一枚一枚杉の壁板を挟んで、前に張った板の本実に差し込んでは釘でとめていきます。

妻壁の尾垂れと胴縁の間にわずかな隙間に壁板を一枚一枚差し込んでいきます。前に張った壁板の本実に次の板をはめ込むのみつつ差し込むので、妻壁を傷めないように慎重に作業していきます。
慎重に差し込み終わった壁板。胴縁と尾垂れの間の壁板の厚み+1mm以下の隙間に一枚一枚差し込んでいっているのがよく分かります。
正面から見るとこんな感じ。張ったばかりの板はまだ色の変化が不揃いですが、白い板も時間と共に色が濃くなっていきます。白い妻壁と板のコントラストが美しい。都倉棟梁と江原親方、ありがとうございます。
下から見るとこんなふうサッシの所を棟梁と良治さんが上下同時に作業中。上に棟梁が張っている板と、下で良治さんが張っている板はもとは一枚の同じ板。なので上から下まで同じ板が通っているので、こだわったとても美しい仕上がりです。
妻壁とサッシの間は短い板。この部分は実はとてもやりづらいそうです。くぎを打つと本実が割れやすいし、短いからこそバランスがとり難いらしい。しかも、下の長い板と同じピッチで板を張らないと、窓の終わりの板がぴったり一致しないことになるので、窓があるととても面倒なんだと棟梁。窓なしで設計してほしいぐらいだそうです。
サッシの下は下までの長い板。こちらは二人で張ってます。下側を担当しても、下2段は良治さんの役割。登ったり降りたりは弟子の役割なんですね。大変です。
一通りサッシの上を挟み終わると、のこぎりで端をそろえます。のこぎりを動かせるのは数センチだけ、その状態で真っ直ぐ切るのは難しそうです。さすがです。
サッシの所が終わって、着々と進んでいく壁板張り。窓が終わるとほんとにすっすと板が張られていきます。
棟梁は金槌で釘を一本一本打っていきます。一番上の端の本実にくぎを打つ時は胴縁に打ってるくぎの頭を使って、釘の先端を丸くしてから打ってるので、どうしてか聞いてみました。「板の端は割れやすいから、頭をつぶしてから打つ方んです」と棟梁。小さな所にもコツがあるものですね。
周りの板を張り終わった窓のサッシ。サッシと板の隙間は棟梁が先ほどのこぎりでそろえていた所です。きれいに真っ直ぐ整えてあります。あとでこちらは水が張らないようにコーキング剤で縁取ります。

壁板張りムービー

尾垂れに差し込んでから、壁板を一枚張り終わるまでの映像です。今回から音楽と説明を付けてみました。

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