目から鱗の壁の穴あけ……。

【伝統建築現場レポート】外壁の壁板張り④ 2014年6月20日


窓と穴が無ければ……。

外壁の壁板を張るのって、窓と穴が無ければ、ほんとにとんとんとすすんでいって、多分全部張るのに1週間もかからない早さなのですが、窓と穴の個所は板を切り欠きしつつ張って行くので、倍以上の半月以上かかりました。大変な作業です。

そんな中で、ど素人のレポーターはこんなにきれいな穴、しかも別々の板にまたがった穴がどうしてピッタリ合わさるんだろうと、まじめに悩んでおりました。

ある日、現場でその作業を見学して、あ、そうするのね!とごく当たり前の作業に気がついてなかったことに……。その作業はこちらです。

何と、単純なことでした。穴の位置の2枚の板を一度合わせてからドリルを使ってあけ、再びばらして、それぞれの板を張っていくのです。単純と言っては申し訳ないのですが、な〜んだと思いつつ、手間を惜しまず仕上げてくださるお二人に頭が下がります。
穴をあけたあと、細い個所があるので、ばらすのも慎重に。大小の穴が何カ所もあるので、面倒な作業をありがとうございます。
ばらしたあとは、一枚一枚順番に張っていきます。といっても本実のオスメスが単純にははまってくれないので、微妙に削って行きます。後ろの尖った部分がパイプに引っかかるので、邪魔なのですが、どうしても最小限必要な分だけ削ってはめていきます。
上のように削る作業と、この写真のように試しにはめてみる作業を、ぴったりはまるまで繰り返して行ないます。
ぴったりはまりました!さすが!こちらは吸気口です。この上には施主のわがままで増えた、ペレットストーブの煙突の穴も……。現実にはいつ付けれるのか分からないのに、穴だけはあけておかねばならないので、お願いしました。

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不要な穴がなくても審査に通ってほしい。

ホルムアルデヒドで有害な気体がたくさんでる新建材がふんだんな家を基準に法律が出来ているので、現在の建築基準法では必ず吸気口と排気口が無いと法的チェックが通りません。実際は窓も沢山あり、この家にはほとんど新建材がないのでホルムアルデヒドの心配は無いのですが、それでも穴が無いと検査に通らないのです。伝統構法の土壁の家には、あまり必要の無い穴を付けなくても許可が下りるようになってほしいですね。不要なものはなくせたらいいですね。

穴あけ作業のムービー

2枚の壁板を仮につなぎあわせてから穴をあけます。

吸気口部分の壁板張り

組み合わせて穴をあけた杉板を一度ばらして一枚ずつ張っていきます。パイプが土壁に先に取り付けてあるので、本実(ほんざね)のオスとメスを合わせるのがたいへんです。

次のページはちょっとおまけ的なレポートです。

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