雨から家を守る、西側の妻壁

【伝統建築現場レポート】裏面の妻壁、そしてウィッシュ引退 2014年6月下旬


嵐の日でも安心、杉板張りの妻壁と外壁

妻壁の下の壁面は東西南北すべて窓の部分も含めて上から下まで通しの一枚板。窓の部分は一枚の板を寸法を測ってカット。その間の板は上下続いた5mの杉板が一枚、縦に張られています。デザイン上の工夫と共に、上下の板をつなぐ必要がないので雨水が壁の内部に染み込むのを防ぐ工夫でもあります。そのために5mの長い板を特別に製材してもらったそうです。

5mの長材の杉板と独立した妻壁

その為にもう一工夫したのが裏面の妻壁、さらに長い7mの板はさすがにコスト高すぎるので、妻壁部分は独立した作りに。まるで上着を羽織っているよう、雨水が内部に染み込まないように工夫されています。

我が家の裏側、西面妻壁の工事が始まりました。外壁工事の初期に張っていた透湿防水シート、その内側には断熱材が張られています。その上に胴縁を張り下地作りです。妻壁の内側も土壁ですから、防水対策をしっかりしています。いわゆる外断熱です。現代、最新の工法です。
数日撮影してなかったので、いきなり完成!他の壁面と同じで杉板張りです。こちらの妻壁は控えめですが、家をしっかり守ってくれてる感じがします。嵐からも西日からも家を守ってくれます。
実際に、5mの一枚板で横方向のつなぎ目のない壁面の工夫とあわせて、壁を伝った雨水がしみ込むことがないように、妻壁が一段出っ張っています。デザイン的にも素敵な西面の壁です。
屋根を支える梁の部分も細かな造作。裏面の妻壁辺りは我が家の工事責任者の良治さんが責任を持って仕上げてくれました。彼の工事は慎重でとても丁寧。棟梁の言葉を信頼して彼にまかせて良かったとしみじみ思う出来映えです。
表面の東側の妻壁の漆喰と見比べてみてください。見た目は裏面という感じですが、西側もしっかり家を守るという姿勢を感じる背中です。もちろん、表面も家を守って、東京の前川家の此れからを指し示してくれているようです。ふさわしい暮らしをしなければと気が引き締まります。
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