窓の枠を造作

【伝統建築現場レポート】窓枠とサッシの取り付け② 2014年6月6・9日


窓の枠の造作

杉板を窓の幅に合わせて切り出したあと、一枚一枚に目地めちのオス・メスを刻みます。

トリマーで寸法に合わせて溝を掘ります。削りしろを残してます。造作をする時は必ず定規を当てて作業されてます。真っ直ぐの基本は定規なんですね。
トリミング終わった目地のみぞ。バリがあるので、このあと溝の底と側面をのみと剣先で削って行きます。
まず、細のみで底を整えます。作業前に研いだのみは切れ味が良いです。
剣先という刃先にV字に刃がついている刃物で溝の側面を削ります。

この剣先、前にも説明しましたが、なかなか難しい刃物だそうで、両方の刃を均等に研ぐのがとても難しいそうです。古くからの道具ではなく、戦後、伝統的な大工さんに普及した道具と技術だそうです。

いまも道具や技が新しくつくられているのですね。

剣先を検索していたら、使ったことのある大工さんが真っ直ぐ削るのが難しいと書いていましたが、棟梁にちゃんと鍛えられた町家大工都倉の大工さんたちは皆さん使いこなしているそうです。秘訣はちゃんと定規を当てることなのかも。

削り終わった溝。指のはらでチェック。こちらが目地のメス。ここにあとでつくるオスを差し込みます。
つづいて、目地のオスを加工。先ほどのメスに差し込みます。こちらの作り方は前に棟梁の作業を書いた「外壁工事前に窓枠とサッシの工事」で書いています。詳しくはそちらで。
何度か組んでは確認し、はずしては削ってを繰り返します。周りが少し暗くなって来てもお仕事。ありがとうございます。
差し込んでみてはのみで削ってぴったりはまるように整えます。
側にあった板には手書きの設計図。部材一つ一つの細かな図面は大工さんが描きます。
しっかり組んだ目地。四隅をつくって出来上がりです。
後日、お風呂場に枠の造作が終わり、サッシが取り付けてありました。
丁寧な作業です。このあと、外壁を張って、そのあと内側にヒノキの板を張った浴室をしつらえます。とても素敵なお風呂です。
髪の毛一本入らない目地の継ぎ目。丁寧な仕事です。見た目は板と板が合わさっただけに見えますが、目地がきちんと刻んであるので、離れる心配もありません。百年後、素敵な古民家になります。
次回は外壁工事を見学しました。楽しいレポートにご期待ください。