窓の枠を造作

【伝統建築現場レポート】窓枠とサッシの取り付け② 2014年6月6・9日

剣先という刃物で溝の側面を削ります。昭和に伝統的大工さんに広まった新しい道具と技術だそうです。

現場でゴミをいっさい出さない。いま主流の工事現場のあり方だそうです。言い換えれば、現場で大工が切ったり削ったりしないということ。プレカット等の工場で部材は規格品としてつくられてきます。これでは大工さんの腕は育たないのかも……。

我が家の現場は反対にたくさんの木屑が出ます。棟梁も良治さんもたくさんの木を切って、一つ一つの部材を削り上げて行きます。無垢の木ですから現場で測って窓の枠を造作し、鴨居や敷居をしつらえる。床板一枚一枚を貼って行くのです。窓枠を造作するのにも現場でこれだけの手順を踏みます。

若いけど、良治さんの腕も確かです。毎日、その日に使うのみやかんなを研いで、木を切り、刻むので毎日修行している職人さんです。

ある日、現場に到着したら、棟梁が軽トラでどこかへ出かけようとしていたところ、「お風呂屋さんに行ってきます」と棟梁。ええぇ!お風呂?と荷台を見たら、端材がたくさん入った袋。造作に使えない短くなった端材は近所のお風呂屋さんに引き取ってもらうのだそうです。ちょっともったいないかなぁって思うけど、エネルギーとしてちゃんと使ってもらえる方が良いですね。近所なので、こんど入りに行こ!うちの木のお風呂、きっと気持ちいいですよ!

そういえば、薪を使うお風呂屋さんも減ってきてるとのこと。端材を引き取ってもらえる銭湯探しも大変になるかも知れませんね。いまの我が家の隣も薪を使う銭湯だったけど、数年前に廃業。アパートになりました。大きな煙突消えたの寂しいです。

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