細かくたいへんな作業連続の壁板張り

【伝統建築現場レポート】外壁の壁板張り③ 2014年6月21日


細かな作業の続く窓付近の作業

左官さんが美しく仕上げてくださった本漆喰の妻壁とサッシの間の細い部分。きれいに板が張られています。
この部分は短い板を妻壁の尾垂れに差し込んで張ってます。張り終わってからサッシとの隙間を切りそろえます。短いのでとてもそろえるのが面倒な個所だそうです。
サッシと妻壁の間が狭く、作業が面倒なので、棟梁が大変だと話されてました。
後日、足場撤去後に撮影した東面。上下の掃き出し窓の上と下と間の短い板は大工さん泣かせだった個所です。窓の上下と間の板を同じ間隔で張らないと左側の通った板の所で隙間ができてしまうので、難しいそうです。新居の前でうれしそうなまる。青い車は我が家の新顔、マツダのアクセラです。設計通りぴったり収まりました。

最も難関な一枚

見ていた限り、最大の難所?と思われた個所です。

壁板張りの最大の難所。とっても面倒な個所です。一番上に梁があり、その下に2階の窓のサッシ、そして張り出した軒の端。この3カ所が一枚の上から下まで通った板に接触しているので、それぞれ切り欠いて、欠けたり割ったりしないように注意深く張っていく必要があります。
この個所に合わせて良治さんが板を刻んでます。ノミと金槌とのこぎりで現場で作っていきます。
刻んでる最中の板。面倒な所は一枚一枚こうして現場で刻んでました。横の細い棒は長さを割り出すのに使った定規です。
訳分からなければ、なんでこんなに切り刻んでるの?って感じですね。梁、窓、軒。それぞれ張り出した部分を切り欠いています。
張り終わった軒と2階の窓と軒の個所の壁板。一枚の板が真っ直ぐにぴったりと張られてます。白い板の右側の板です。こうしてすべての個所が上から下まで同じ一枚の板で張られていきました。

その他の外壁工事

「前川さん!」と呼ばれて足場の上に。白くのたくっているのはアンテナのコード。後日電気屋さんがアンテナのコンセントを壁に設置します。そのあと、アンテナをどこに設置するかの相談でした。アンテナの台を壁に固定するため設置場所に追加の胴縁を入れてくださってます。後日、棟梁と二人でアンテナ工事の予定。
覗き窓ではなく、郵便ポストです。あとで口の上に軒がつくそうです。うっかり撮影し忘れたのですが、このデザイン、一度テストでダミーを作ってくださって、こんなんでいい?って施主に見せてくださいました。分かりやすくて、一発で気に入りました。端切れ板で作ったダミー、それも可愛かったので、この上に張りたかったぐらいです。

次回はペレット(木片)ストーブの煙突や換気扇の丸い穴の所をあける作業をレポートします。