クリスマスなので、大工さんの現場見学へ

【伝統建築現場レポート(番外編)】大工さんの作業場見学 2014年クリスマスイブ


ちょっとシーズンずれましたが2014クリスマスイブ、ふたりと一匹は東京の東の端から、西の端の日出町にある大工さんの作業現場見学に出かけてきました。建物関係の必要な書類に棟梁の判子をもらわないといけなくて、大工さんとのおやつタイムが楽しめなくなった寂しさから、数時間かけて足立から向かいました。

「クリスマスなので、大工さんの現場見学へ」

ってタイトル、どういう意味?と思われますよね。聖書を読むとイエス・キリストは大工ヨセフの子供として生まれ、大工の技を身につけて育ち、30代まで大工として生活をしていたと書かれています。イエス自身、「わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」とたとえ話に大工手作りのくびきについて話されています。なのでクリスマスは大工さんとすごすのにぴったりの日なのです。

棟梁や大工さんたちと話していると、神さまがなぜ大工の家でイエス様を育てさせたのか、納得いくような気がします。自然の恵みを用い、力学的な形をとらえ、ものを作り上げる。そうした目で見つめる職人さんだからこそ見えてくる人や社会を見る目があるように感じます。伝統的な技を持つ大工さんたちにはそういったものが引き継がれていくのかもしれませんね。

おやつの前に刃物研ぎ

おやつの少し前にお邪魔すると、浜中木材さんの作業場の大きな小屋の中では町家大工都倉のお弟子さん3人が、小屋外の作業場では棟梁が次の新しい家の柱や梁を刻んでいました。ちょうどおやつだったので、持ってきたお土産でお茶をご一緒と思えば、コーヒーを飲んでいるのは僕らと棟梁の3人だけ、お弟子さんたちはかんなの刃を研ぎ始めました。???お茶の前に?温かいお湯とはいえ水に手を入れて、かんなの刃を研ぐのです。刻み作業の間は毎日何度か研がなければならないそうです。よい仕事をするためには大事なことなのですね。研ぎ終わった順にお茶の時間。楽しいひとときをありがとうございました。

次の建物の刻み作業

今度建てる家は「く」の字型に真ん中で曲がっているので、継ぎ手も曲がっていたり、真っすぐに組んでいなかったりとかなり大変な作業。「大変だけど面白いのでは?」と聞くと、「大変です」ときっぱり。でも黙々と邪魔なカメラマンにちょっと協力してくれつつ、作業を続けていく皆さんでした。
外に開いている作業小屋、寒いので皆さん厚着です。

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